私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
「だから言っただろ、割れたガラスを素手で触るやつがいるかよ」

予期せぬアクシデントに石堂さんも慌てた様子で、見せてみろ。と私の手首を掴んだ。

「破片は傷口に入ってないな、ほら洗い流せ」

手首を掴まれたままシンクに持ていかれると、水道の水を傷口にあてた。水は冷たく感じるのに、石堂さんに掴まれた部分がやけに熱く感じた。

「痛いか? そんなに傷口は深くなさそうだな」

石堂さんは、私の腕を掴んだまま丹念に傷口を見る。

「大丈夫ですよ、こういう傷って案外すぐにふさがったりしますから」

「いいから」

私、なにやってるんだろ――。

少しタオルで押さえていたらいつの間にか出血は止まっていた。けれど、石堂さんは大げさにも脱脂綿に消毒液を含ませ、傷の部分を丁寧に拭って絆創膏を貼ると手際よく包帯を巻いた。ドジをした上に怪我の手当てまでしてもらうなんて情けない。

はぁ、なにからなにまで申し訳なさすぎる――。
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