【短】コンソメスープが重たくて


 急に顔を赤くして、耳まで真っ赤になる彼。沈黙が瑠美を緊張させた。



「毎日、同じメニュー注文したら。僕のこと、覚えてくれるんじゃないかって思って」



 確かにそうだと瑠美は思った。
 いつもナポリタンを大盛りで、夏でも冬でもアイスミルクティー。



「確かに、それで覚えたのかも」

「……よかった」



 自分の作戦が成功したと知り、彼はまた笑う。



「僕は瑠美さんの料理が好き」

「ありがとうございます」

「でも……」



 彼は勢いよく立ち上がった。
 そのせいで、椅子がバタンと大きな音をたてて倒れる。



「もっと好きなのは! 瑠美さんだから!!」



 六時。閉店時間になった。



 彼の後ろにある壁掛け時計が瑠美に教える。
 秒針が進むにつれて、瑠美は理解し始めた。

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