悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
王太子を呼び捨てにするような育てられ方はしていない。
動揺して顔が耳まで熱くなり、つい顔を背けたら、プッと吹き出す声を後ろに聞いた。
振り向けばそれはグラハムさんで、さらに彼の後ろではダウナーさんもこらえきれないといった様子で、屈強そうな肩を揺すっている。
王太子は「君の心を解きほぐすには、もう少し時間が必要だね」とため息交じりに呟いてから、彼らにつられたように明るい笑い声をあげていた。
私の反応は、そんなに笑われるほどおかしなものかしら?
彼と話していると、なにが常識なのかわからなくなりそう。
調子が狂って困るばかりだから、これ以上私に難しい要求をしてこないで……。
鞍をつけた白馬が一頭と、赤茶の毛色をした馬が二頭、民家の前に連れられてきた。
白馬には王太子が軽やかな身のこなしで跨り、私に「おいで」と片手を差し出した。
ダウナーさんがどこかから踏み台を持ってきてくれて、それに上った私は支えられるようにして、王太子の前に横座りする。
グラハムさんとダウナーさんもそれぞれ赤茶の馬に跨り、出発しようとしたら、老人がなにか思いついたようにポンと手を叩き、「ちょっと待ってくれんかの」と家の中に入っていった。
すぐに戻ってきた老人は手のひら大の丸いチーズを持っていて、「わしが作ったヤギ乳のチーズだ。お前さんたちの結婚祝いにくれてやろう」とホッホと笑った。
動揺して顔が耳まで熱くなり、つい顔を背けたら、プッと吹き出す声を後ろに聞いた。
振り向けばそれはグラハムさんで、さらに彼の後ろではダウナーさんもこらえきれないといった様子で、屈強そうな肩を揺すっている。
王太子は「君の心を解きほぐすには、もう少し時間が必要だね」とため息交じりに呟いてから、彼らにつられたように明るい笑い声をあげていた。
私の反応は、そんなに笑われるほどおかしなものかしら?
彼と話していると、なにが常識なのかわからなくなりそう。
調子が狂って困るばかりだから、これ以上私に難しい要求をしてこないで……。
鞍をつけた白馬が一頭と、赤茶の毛色をした馬が二頭、民家の前に連れられてきた。
白馬には王太子が軽やかな身のこなしで跨り、私に「おいで」と片手を差し出した。
ダウナーさんがどこかから踏み台を持ってきてくれて、それに上った私は支えられるようにして、王太子の前に横座りする。
グラハムさんとダウナーさんもそれぞれ赤茶の馬に跨り、出発しようとしたら、老人がなにか思いついたようにポンと手を叩き、「ちょっと待ってくれんかの」と家の中に入っていった。
すぐに戻ってきた老人は手のひら大の丸いチーズを持っていて、「わしが作ったヤギ乳のチーズだ。お前さんたちの結婚祝いにくれてやろう」とホッホと笑った。