悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
「レオン様」と口にしたら心に花が咲き、二度目に呼んだら自然と頬が綻んだ。
「レオン様……」
三度目には花冠が頭から落ちる。
彼が私を抱き寄せたからだ。
小さな叫び声をあげた私は、彼の胸に頬をつけている。
背中には二本の逞しい腕が回されて、私の心臓は大きく波打ち、動けずにいても心の中は慌てていた。
けれども「君は純粋だね」と耳元で囁かれたら、乱された心はいくらか落ち着きを取り戻す。
そんなことはないと、否定したくなったためだ。
「この心は黒く汚れていますわ。どうしたら優位な立場を守れるのかを、父に教えられておりますもの。レオン様の方こそ純粋です。わたくしには、そのような汚れのない考え方はできません」
自分をけなしたつもりはない。彼に勘違いをされて、性根の美しい娘だから妃にしたいなどと思われては私が困る。
しかし彼は「そうかな?」と穏やかな声で疑問を投げかける。
「オルドリッジ公爵の教えを受け入れて守ろうとするのは、素直で綺麗な心をしているからだと思うよ」
私はいまだ彼の腕の中で、私よりゆっくりと刻まれる心音を聞きながら、眉を寄せていた。
損得を考えて行動し、したたかに生きようとする心が綺麗だというの?
そんなのおかしいわよ……。
「レオン様……」
三度目には花冠が頭から落ちる。
彼が私を抱き寄せたからだ。
小さな叫び声をあげた私は、彼の胸に頬をつけている。
背中には二本の逞しい腕が回されて、私の心臓は大きく波打ち、動けずにいても心の中は慌てていた。
けれども「君は純粋だね」と耳元で囁かれたら、乱された心はいくらか落ち着きを取り戻す。
そんなことはないと、否定したくなったためだ。
「この心は黒く汚れていますわ。どうしたら優位な立場を守れるのかを、父に教えられておりますもの。レオン様の方こそ純粋です。わたくしには、そのような汚れのない考え方はできません」
自分をけなしたつもりはない。彼に勘違いをされて、性根の美しい娘だから妃にしたいなどと思われては私が困る。
しかし彼は「そうかな?」と穏やかな声で疑問を投げかける。
「オルドリッジ公爵の教えを受け入れて守ろうとするのは、素直で綺麗な心をしているからだと思うよ」
私はいまだ彼の腕の中で、私よりゆっくりと刻まれる心音を聞きながら、眉を寄せていた。
損得を考えて行動し、したたかに生きようとする心が綺麗だというの?
そんなのおかしいわよ……。