悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
驚いて心配する私も絨毯に両膝をつき、彼の頭を胸に抱きしめる。


「おそらく俺は、都合がいい方に記憶を捻じ曲げていたんだな。自分がこんなにもベイルに似ていることに、今まで気づかなかった……」

「レ、レオン様、どうかその先は言わないでくださいませ!」

「言おうが言うまいが真実は変えられない。俺は……父上の子ではなかったということだ……」


掠れた声で絞り出すように告げた彼は、それから黙り込んでしまった。

いや、話すこともできないほどに、自分で口にした事実に打ちのめされているのだろう。

レオン様は王族の血を引いておらず、王妃の不貞の末に生まれた命だったのだ。


私も胸が潰れそうな思いでいるけれど、歯をくいしばって涙をこらえる。

レオン様の方が何倍も傷ついているはずだから。

それはおそらく、心臓にナイフを突き立てられ、体を引きちぎられるほどに大きな痛みであろう。


なんの慰めにもならないとわかっていながらも、「あなたに罪はありません」と彼をかばい、重たく垂れた頭をさらに強く、私の胸に押しつけるようにして抱きしめていた。

ドレスの胸元が、彼の涙を吸って、しっとりと濡れていくのがわかる。


ああ、どうすればいいの?

レオン様のために、私は今、なにをすればいいのかしら……。

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