悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
「小鳥の巣箱の修理をしていたんだよ。屋根が壊れてしまっていてね」


そういえば国王の趣味はバードウォッチングで、屋敷の裏手に広がる森のような木立の中を、よく散歩していると聞いたことがある。

まさか、巣箱の修理まで国王自らがしているとは思わなかったけれど。


国王は城内の森に住み着いている小鳥の種類を、楽しそうに私に話してくれる。

それを聞きながら、私は呆れていた。

国政をレオン様に任せて、自分は趣味のことばかり。小鳥を愛するなんて、女々しく情けない人柄だとも思っていた。


先ほどレオン様に、国王の子を産むと宣言したけれど、私は本当にできるのかしら……?


相手は最高権力者なので、私は失礼のないように、作り笑顔で小鳥の話に相槌を打ち続けている。

けれども、隠しきれない侮蔑の感情が、目に表れてしまったのかもしれない。

突然、小鳥の話を終わらせた国王に、真顔でじっと見つめられた。

気分を害してしまわれたのか……。

その目はなんだ、と叱責されることを覚悟した私だったが、国王は眉をハの字に下げて心配そうに聞いた。


「オリビア嬢。そなたは離宮の方から来たようだが、なにかあったのかな? 目が赤く腫れておる」

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