悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
離宮で泣いたことに気づかれては、困ったことになる。
追及されても、私の口からは、あのように大きな秘密を言えやしない。
ギクリとして体を震わせ、「い、いえなにもございません。外の空気を吸うために散歩していただけですわ」とごまかせば、国王は「そうか」と肉付きのよい顔に笑みを取り戻してくれた。
それからマントを脱いで、私に羽織らせる。
「あの……」と戸惑う私に国王は、「寒いから着ていなさい」と言って地面にしゃがむ。
なにをする気かと戸惑う私の前で、木の根元に置かれていた数枚の板切れを使って、なにかを作り始めた。
「可愛い小鳥たちに餌台も作ってやろう。なぁに五分もあればできる。その間、わしの自慢話に付き合ってくれないか?」
断ることはできず、私は国王のマントに暖まりながら、板に釘を打ち付ける様子をすぐそばで見守っていた。
薄暗い森にコンコンとリズミカルに金槌の音が響く中で、国王は独り言のように手元に向けて語り出す。
その自慢話とは、レオン様のことだった。
「こんなふうにわしが遊んでいられるのは、レオナルドが頼もしく育ってくれたおかげだ。わしはーー」
国王は国を統べる才覚が不足していることを自覚しているそうだ。
だからこそ早々に、息子に政務の全てを任せることにしたのだと。
レオン様の頭脳の明晰さ、判断力や行動力、人柄のよさを褒め称え、それからふと手を休め、なぜか切なげに顔をしかめて私を見た。
追及されても、私の口からは、あのように大きな秘密を言えやしない。
ギクリとして体を震わせ、「い、いえなにもございません。外の空気を吸うために散歩していただけですわ」とごまかせば、国王は「そうか」と肉付きのよい顔に笑みを取り戻してくれた。
それからマントを脱いで、私に羽織らせる。
「あの……」と戸惑う私に国王は、「寒いから着ていなさい」と言って地面にしゃがむ。
なにをする気かと戸惑う私の前で、木の根元に置かれていた数枚の板切れを使って、なにかを作り始めた。
「可愛い小鳥たちに餌台も作ってやろう。なぁに五分もあればできる。その間、わしの自慢話に付き合ってくれないか?」
断ることはできず、私は国王のマントに暖まりながら、板に釘を打ち付ける様子をすぐそばで見守っていた。
薄暗い森にコンコンとリズミカルに金槌の音が響く中で、国王は独り言のように手元に向けて語り出す。
その自慢話とは、レオン様のことだった。
「こんなふうにわしが遊んでいられるのは、レオナルドが頼もしく育ってくれたおかげだ。わしはーー」
国王は国を統べる才覚が不足していることを自覚しているそうだ。
だからこそ早々に、息子に政務の全てを任せることにしたのだと。
レオン様の頭脳の明晰さ、判断力や行動力、人柄のよさを褒め称え、それからふと手を休め、なぜか切なげに顔をしかめて私を見た。