悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
「さあ、できたぞ」と嬉しそうに小鳥の餌台を手に立ち上がった国王は、その体格以上に大きく頼もしく、私の目に映っていた。

この方を情けないなどと見くびった自分を恥じて、自然の行為として地面にひざまずき、胸の前で指を組み合わせた。

目には枯れたはずの涙が再び溢れ、ひと筋の温かな流れを作っている。


「知っておられたのですね……」と涙声で問いかければ、「わしはなにも知らん。誰もなにも気づいておらんよ」と、国王は目尻に皺を寄せて微笑んだ。

私の頭にゴツゴツとした優しい手がのせられて、よしよしと撫でられる。

その手から伝わる優しいぬくもりがレオン様と同じで、私は泣きながら心からの笑みを浮かべた。


「国王陛下とレオン様は、よく似ていらっしゃいますわ。その優しさと平和を愛するお心が」

「そうだろう。当然だ。あれは、わしの息子だからな」



国王陛下は闇夜を照らす、満月のようなお方ね……。

空に向けて朗らかに笑った国王に、私は尊敬の眼差しを向けていた。

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