悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
あそこは……隠し通路のある、六角形のあの部屋だ。
レオン様がそこにいるの!?
ドアに駆け寄った私は、ノックもせずにドアノブを回す。
幸いにも鍵はかけられておらず、ドアを開けて飛び込んだけれど、狭い室内に彼の姿はなかった。
代わりに私を待っていたのは、アマーリア……。
壁の燭台に火は入っておらず、丸テーブル上にランプがひとつ置かれていて薄暗い。
ランプの光を浴びるように、テーブル上に寝かされているアマーリアに近寄れば、陶製の顔はひび割れて、頬の一部は欠損していた。
暴れ狂う馬から落としたのだから、それは当然の結果で、わかっていたことだ。
それでもこうして目の当たりにすると、激しく心が痛んだ。
愛しき人形をそっと胸に抱いて、話しかける。
「アマーリア。あなたを壊してしまって、ごめんなさい……」
罪の意識はそのままに、けれども久しぶりの人形の感触と重みは、私の心を喜ばせてくれもした。
「お帰りなさい」と微笑んで、アマーリアの頬に口付けようとする。
そのとき、ハッと気づいた。
顔にヒビが入っているのだと思っていたけれど、破損状況がもっと酷いものであったということに。
レオン様がそこにいるの!?
ドアに駆け寄った私は、ノックもせずにドアノブを回す。
幸いにも鍵はかけられておらず、ドアを開けて飛び込んだけれど、狭い室内に彼の姿はなかった。
代わりに私を待っていたのは、アマーリア……。
壁の燭台に火は入っておらず、丸テーブル上にランプがひとつ置かれていて薄暗い。
ランプの光を浴びるように、テーブル上に寝かされているアマーリアに近寄れば、陶製の顔はひび割れて、頬の一部は欠損していた。
暴れ狂う馬から落としたのだから、それは当然の結果で、わかっていたことだ。
それでもこうして目の当たりにすると、激しく心が痛んだ。
愛しき人形をそっと胸に抱いて、話しかける。
「アマーリア。あなたを壊してしまって、ごめんなさい……」
罪の意識はそのままに、けれども久しぶりの人形の感触と重みは、私の心を喜ばせてくれもした。
「お帰りなさい」と微笑んで、アマーリアの頬に口付けようとする。
そのとき、ハッと気づいた。
顔にヒビが入っているのだと思っていたけれど、破損状況がもっと酷いものであったということに。