イジワル外科医の熱愛ロマンス
そう言いながら、祐は自分の前のラーメンの器に目を伏せる。
一度レンゲでスープを啜ってから、向かい側の木山先生と美奈ちゃんに、上目遣いの視線を向けた。
「結婚までにはまだ時間があるので、一旦婚約を白紙に戻すのは同意する。でも挙式までに、雫の気持ちを変えることができたら、その時は速やかに結婚の準備を再開させていただきます……とね」
その言葉に、私はピクリと反応した。
手に箸を握りしめたまま、隣で胸を張っている祐の横顔を見つめる。
そう――。
土曜日の朝、祐は私を追いかけてきてくれた。
『俺からも話がしたいから』と言って、力強く私の手を引いてくれた彼を、私は本当に頼もしいと思い、『惚れ直す』という初めての経験に胸をときめかせた。
ところが、祐が私の両親の前でしたのは無断外泊の謝罪でも恋人宣言でもなく、そんなものをすっ飛ばした結婚宣言だったのだ。
『お義父さん、お義母さん。今度こそ、雫を俺の妻にいただきます』
朝帰りした私と並んで、私の両親に向ける言葉としては、常識外れとしか思えない。
私はギョッとして息をのんだ。
それなのに、父の反応は更に斜め上を行き、私にはまったく理解不能なものだった。
『そうか。祐君、おめでとう。頑固な娘で、申し訳なかったね』――。
一度レンゲでスープを啜ってから、向かい側の木山先生と美奈ちゃんに、上目遣いの視線を向けた。
「結婚までにはまだ時間があるので、一旦婚約を白紙に戻すのは同意する。でも挙式までに、雫の気持ちを変えることができたら、その時は速やかに結婚の準備を再開させていただきます……とね」
その言葉に、私はピクリと反応した。
手に箸を握りしめたまま、隣で胸を張っている祐の横顔を見つめる。
そう――。
土曜日の朝、祐は私を追いかけてきてくれた。
『俺からも話がしたいから』と言って、力強く私の手を引いてくれた彼を、私は本当に頼もしいと思い、『惚れ直す』という初めての経験に胸をときめかせた。
ところが、祐が私の両親の前でしたのは無断外泊の謝罪でも恋人宣言でもなく、そんなものをすっ飛ばした結婚宣言だったのだ。
『お義父さん、お義母さん。今度こそ、雫を俺の妻にいただきます』
朝帰りした私と並んで、私の両親に向ける言葉としては、常識外れとしか思えない。
私はギョッとして息をのんだ。
それなのに、父の反応は更に斜め上を行き、私にはまったく理解不能なものだった。
『そうか。祐君、おめでとう。頑固な娘で、申し訳なかったね』――。