イジワル外科医の熱愛ロマンス
当事者である私の気持ちとしては、その言葉はやっぱり強引で傲慢なほど不遜なもの。
でも、今となるときゅんとしてしまうから困る。


そう、大学卒業後に婚約はしたけれど、挙式は祐が一人前の医師になってからの約束で、婚約していた四年間は猶予期間のようなもの。
婚約を破棄した時点でも、挙式の予定はまだまだ先という状態だった。


そして、その式場はキャンセルされていないまま。
祐が無事助教になった今年……この秋に押さえられている。
晴れて私が祐を好きになった今、当初からの『予定通り』、秋に私と祐の挙式を執り行うことが、この二日間で正式に決定してしまったのだ。


「ほお~っ……。つまり宝生先生、それだけ雫さんのことを愛してたってことですよね……。すごい、ロマンチック……」


美奈ちゃんはフォークを両手で握りしめ、ほわ~んとした顔で天井を見上げる。
それを聞いて、レンゲでスープを飲んでいた祐が、ブホッと噴き出した。
ギョッとして顔を上げる祐に、木山先生が畳みかける。


「婚約破棄されても、二年越しで取り返した、ってことか。情熱的だねえ。……あ。それじゃあもしかして、君が東都大学の心臓外科医局を志願したのって、もしかして本郷さんがいることを知ってたからとか?」

「えっ!?」
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