虹色キャンバス
「山崎に睨まれたら厄介だぜ。進級できないかもしれないぞ」


「そうだよ。伊藤先輩みたいになっちゃうよ」


伊藤先輩とは、僕らの一学年上の先輩で、留年したために今年また一年生をやる羽目になった生徒のことだ。

先輩なのに同級生

という、なんとも不思議な存在だ。


親の希望で在学となったがほとんど学校へは来ていなかった。


僕たちの間では幻の同級生となっている。

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