間違った恋

本日の作業はこれで終わりとなり、夜道を女で1人歩かせるのは危険と言われ仕方なく藤間と肌寒い外を歩いていた。

「………」

「………」

…が!!

何も話すことないし。

って藤間歩くの早いし、私に走れってか?

お前の足の長さに追いつくように小走りでついていけってか?

頭の中でブツブツと一人で話していると、

「早いか?」

遅い私に尖った言葉を投げかけることはなかった。

何歩も先を歩いていた藤間は後ろを振り返り足の短い私に歩幅を合わせてくれた。

何だかんだ優しい…のか?

「藤間って何で菊組で働いてるの?」

暗い夜道で相手の顔はよく見えないけどそれとなく聞いてみた。

「私と同じバイト…じゃないよね?」

明らかに遥さんと内部連絡?し合える仲だし結構長そうなんだけどなー。

「下っ端って言えば分かるか?」

「何となく…」

「あの事務所が幹部専用の第1支部つって偉い奴の集まりなんだよ」

「若が若頭で…遊佐さんは?」

「若頭補佐」

若頭補佐!?

若の次に偉い人!?

へえー。あの女好き偉い立場の人なんだ。

「俺は下っ端を束ねるリーダー的な立ち位置だ」

「バイトリーダー的なやつ?」

「…違え」

じゃあ第1支部の中で3番目に偉い人なのかな?

「あと…」

「…??」

「牧生でいい」

「何が?」

あんたは藤間牧生じゃん?

頭でも打ったか?

「呼び方」

そうボソッと呟いた藤間の表情はわからなかったが呼び方を変えろって事らしい。

牧生…まきお…まき…

「マッキーでいい?」

「しばくぞ」

こ、怖い。

目がマジだよ。

「あとお前ウ○コ踏んでるぞ」

………。

そろりと足元を見てみるとー…

「ギァァァァァァァァ」

ベチャと足元で何かが音を立てた。

それと同時に全身に鳥肌が立った。

「ギァァァァァァァァ」

「うるせえ」

片耳に小指を突っ込んでうるさそうに私を睨む男に心底呆れた。

「お前なんてマッキーで十分だ!!」

もうこいつの呼び方はマッキーに決定。

呼び方変えるなんて断固反対だから!!
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