たった一度のモテ期なら。
社内の子が西山を好きになっても、確かに不毛な片思いになる。
西山にとって社内の女性は無条件に恋愛対象外だということは、去年の夏頃の出来事でよくよくわかった。
1つ下の後輩で西山が指導してた子にかなり積極的にアプローチされていて、ほとほと困っている姿を見たんだ。
「社内恋愛はありえないからごめん」と断ったのに、私が嫌だってわけじゃないんですよね? 彼女いないんですよね?とまるでこたえない様子だったらしい。
「観念して付き合えば。一途でいい子とも言えるし」
「いやー、怖いよあれは。俺だったらパス」
と同期内でも完全にばれていて、イングリッシュパブに集まったときにかなりいじられていた。
「単にタイプじゃないって言えばいいのに」
「タイプとかの前に嫌なんだよ、職場で面倒なことになるの」
「社内じゃなかったら付き合ってた?」
「わかんねえよ。とりあえずそういう目で見てない」
頑なに言い張る西山は、あの時もみんなに「お前が一番面倒なんだよ。もっとわかりやすく振れ」と言われていた。
私は何と言っていいかわからず、そんなみんなの様子を見ていた。タイプかどうかの前に、完全に対象外。女性として見ていない。そのこだわり方もすごいなって。
そんな姿勢を、私も真似することにした。
社内の人とどんなに仲良くなっても、優しくて頼りになる人がいても、それは仲間であり恋愛対象ではないのだ。そう決めたら確かに心が変に揺れたりしなくて楽になるような気がした。
だから私は、富樫課長に言われたような不毛な片思いなんかしてない。全然全く期待してないんだから。
西山にとって社内の女性は無条件に恋愛対象外だということは、去年の夏頃の出来事でよくよくわかった。
1つ下の後輩で西山が指導してた子にかなり積極的にアプローチされていて、ほとほと困っている姿を見たんだ。
「社内恋愛はありえないからごめん」と断ったのに、私が嫌だってわけじゃないんですよね? 彼女いないんですよね?とまるでこたえない様子だったらしい。
「観念して付き合えば。一途でいい子とも言えるし」
「いやー、怖いよあれは。俺だったらパス」
と同期内でも完全にばれていて、イングリッシュパブに集まったときにかなりいじられていた。
「単にタイプじゃないって言えばいいのに」
「タイプとかの前に嫌なんだよ、職場で面倒なことになるの」
「社内じゃなかったら付き合ってた?」
「わかんねえよ。とりあえずそういう目で見てない」
頑なに言い張る西山は、あの時もみんなに「お前が一番面倒なんだよ。もっとわかりやすく振れ」と言われていた。
私は何と言っていいかわからず、そんなみんなの様子を見ていた。タイプかどうかの前に、完全に対象外。女性として見ていない。そのこだわり方もすごいなって。
そんな姿勢を、私も真似することにした。
社内の人とどんなに仲良くなっても、優しくて頼りになる人がいても、それは仲間であり恋愛対象ではないのだ。そう決めたら確かに心が変に揺れたりしなくて楽になるような気がした。
だから私は、富樫課長に言われたような不毛な片思いなんかしてない。全然全く期待してないんだから。