【完】俺がずっと、そばにいる。

先輩たちは少し悔しそうな顔をしながらも、じっと黙り込む。


一気に場がシーンと静まり返って、嫌な空気が流れた。


き、気まずい。どうしよう……。


するとそこで、りっくんが何を思ったのか、急に彼女たちに向かってバッと頭を下げて。


「頼むから、俺の大事な人に手を出さないでください」


「えっ……」


「お願いしますっ!」


思いがけない彼の行動に、心臓が思いきりドクンと飛び跳ねた。


う、ウソッ……。


りっくんが、頭を下げてくれてる。


私を守るために。


相手が先輩だから?


まさかそこまでしてくれるなんて……。


『俺の大事な人』


まるで、彼が本当に心からそう思って言ってくれているみたいに聞こえて、なんだか異様にドキドキしてしまった。


もちろんこれも彼氏のフリの一環だってわかってるのに。


りっくんの表情があまりにも真剣なものだから、思わず胸が熱くなる。


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