寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
おそらく私や沙智さんと同年代だろう。
「今度入った社長の秘書の方ですか?」
「はい、そうです……」
ここでそう声をかけられたのは初めてだ。
なにを言われるのだろうかと、つい肩に力が入る。
「そうなんですね。いいな、羨ましい」
「ねー。ほんとに羨ましい。私、秘書の座を狙っていたんですからー」
「琢磨さんにはすでに沙智さんっていう秘書がいるから無理だし」
「そうしたら、急に中途採用でポン!と人が入っちゃって」
四人がそれぞれに自分の思いを口にする。
風見さんが人気者だというのは本当の話なのだ。
見た目も中身も申し分のない男性だから、信じていなかったわけじゃない。
ただ、沙智さん以外から直接そういった声を聞いていなかったせいか、ちょっと動揺してしまった。
「私のような者ですみません……」
謝る以外に言葉が見つからない。