寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
「琢磨さんは女性関係がちょっと派手で、すでに社内でも何人か手を付けているんだけどね」
「そうなんですか?」
確かにちょっとノリが軽い気はしたけれど、そんなに手が早いとは思わなかった。
そこで、デパートで女性スタッフが意味深に話していたことを思い出す。
あのとき私が想像した通り、琢磨さんはあの特別室にいろんな女性を連れて行っているのかもしれない。
「……沙智さんもふたりに言い寄られたら付き合いますか?」
「私には言い寄ってこないわよ」
「そうですか?」
沙智さんは美人だし聡明だし、ふたりの隣に並んでも全然引けを取らないのに。
実際に副社長の琢磨さんとは絵になっている。
沙智さんは、私同様に自分に自信がないのかもしれない。
その気持ちは私にもよくわかるけれど、沙智さんと私では根本的に作りが違う。
「社長はアメリカにずっといたからよくわからないけど、琢磨さんが手を出してきた女性は私なんかより性格的にも見た目にも華やかな人ばかりだから」
お金と地位があると、必然的にそうなるものかもしれない。
風見さんの書斎で見かけた元カノの顔を思い出した。
そういえば彼女もまた、華やかな美人だったっけ。しかも外国人で、私ではとうてい及ばないレベルの人種。
そうなると、私を恋人にしたのは私に自信をつけさせるための恩返し以外にない。
なんとなく寂しさを感じつつ沙智さんの話に頷いて、お茶をすすった。