寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
そこの警備員……。
「……あ!」
「思い出してくれました?」
「ハンカチを拾ってくれた方ですか?」
彼の顔がパッと明るくなる。
「今朝はありがとうございました」
改めてお礼を言うと、彼は「いえ、思い出してくれて嬉しいです」と笑った。
でも、こんなところで私にいったいなんの用事なんだろう。
「あの……?」
「あ、すみません。実はここ最近あなたのことが気になっていて……。水城さんのことが好きになってしまったんです」
彼は帽子を取って頭を掻いた。
「……はい?」
すぐに反応できずに私が聞き返すと、彼は「僕と付き合ってください!」と一歩詰め寄り私の手を取った。
驚いた弾みでスーパーの袋がドサッと音を立てて道路に落ちる。