寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
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テレビ局へ着いてすぐに、進行や内容についての打ち合わせが始まる。
どういった質問をするかといったことは事前にもらっていたから、それに対する回答の時間を計ったり、立ち位置や座り位置の確認だった。
それらを終え、いよいよ収録が始まる。
今日のスーツはいつも同様にイタリア製で、光沢のあるダークブラウンのジャケットに薄いピンクのワイシャツが映える。
モニター越しに見てみたら、とてもテレビ映りがよかった。
何度か出演したことがあるせいか、とても堂々としていて華やかなオーラに圧倒される。
隣に座る進行役の若い女性アナウンサーのほうが緊張しているように見えた。
もしかしたらそれは、理玖さんのせいなのかもしれない。さっきから彼の顔を見ては不自然に視線を外すところを見ると、理玖さんを意識してしまっているのかも。
「本日は、日本におけるコンサルタント会社としてはトップに君臨するオリオンコミュニケーションズの若き社長、風見理玖さんにおいでいただきました」
風見さんの略歴を説明したあと、早速質問に移る。