寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~

ドアを閉めるなり、理玖さんが私の唇を奪う。


「シャワーを浴びさせてください」


そう言ってはみたものの、「それは無理だ」と理玖さんは私のワンピースを脱がせ始めた。
その場で下着姿になった私を抱きかかえ、大きなベッドにふたりで沈み込む。
私の反応をひとつひとつ確かめるように、理玖さんの唇が全身をくまなく這っていく。

想いが通じ合った上で体を重ねることに、こんなにも心が揺さぶられるとは思わなかった。
体も心も繋がることが、こんなにも幸せだとは知らなかった。


「この唇も、この体も……」


理玖さんの指先がツツツと滑っていく。


「全部俺のものだ」


耳元で甘い声で囁かれ心が震える。


「……理玖さん」


名前を呼ぶだけで愛しくて、その愛しさに胸が張り裂けそうになる。


「茜」


理玖さんの甘い声が私の名前を呼ぶだけで、理玖さん以外のほかにはなにもいらなくなる。

大好きでたまらない。
その気持ちを体で伝えた。
< 223 / 318 >

この作品をシェア

pagetop