寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
この前と同じように、社内を強行突破したのか、驚いて立ち尽くす私に彼女が「おはようございます」とにこやかに挨拶をする。
「理玖は?」
エイミーさんがそう尋ねたところで、私のうしろから理玖さんが現れた。
「エイミー、なにをしにきた」
「そんな冷たい言い方をしなくてもいいのに。昨夜マンションに行ってもいないんだもの」
彼女がぷぅと頬を膨らませる。
「話はもう済んだはずだ。早くアメリカへ帰れ」
「理玖が大切に思ってるっていう人がどんな女性なのか見に来たの。それを見ないうちには帰るに帰れないわ」
理玖さんが私に振り返った。
まさか私を紹介するつもりじゃ……?
ジリッとあとずさったところで、理玖さんに腰を引き寄せられてしまった。
「彼女がそうだ」