寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
「そうおっしゃられても困ります」
私こそ困る。
「こんな格好じゃ恥ずかしくて無理です……」
唇を噛み締めていると、寺内さんは「それならご心配には及びません」と口元を綻ばせた。
「すべてご用意させていただいておりますので」
いったいなにを用意しているというのか。
「さぁどうぞ」
にこやかにそう言われても途方に暮れるばかり。
「いえ、やっぱり帰ります」
そう拒絶してみたものの寺内さんは頑なに譲ってはくれず、結局言われるままに車を下ろされてしまった。
すでに私の話は通っているのか、ベルパーソンから別の女性スタッフへと引き渡された私は、控室のようなところに通された。