寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
お腹がペコペコだという彼女にチャーハンを作ってあげると、エイミーさんはものすごい勢いで平らげてしまった。
理玖さんをアメリカから追って来たのにその甲斐なく追い返されようとしている彼女は、その原因の私に敵対心を持っているかと思いきや、そんな様子はまったくない。
逆に「アカネ、アカネ」と好意すら感じるくらいに接してくるから、こちらが戸惑ってしまう。
「エイミーさん、日本語がお上手ですよね」
「本当? 嬉しいわ。理玖の母国語だから一生懸命覚えたの」
エイミーさんは顔を赤らめたあと、「振られっぱなしだったけどね」とかわいらしく小首を傾げた。
「アメリカにいた頃の理玖さんって、どんな感じだったんですか?」
私に感じるエイミーさんの好意に甘んじて、理玖さんの入浴中につい聞いてしまった。
「理玖はね、ものすごくバイタリティに溢れていたわ。いつだって凛々しくて真っ直ぐでセクシーで、理玖と出会う女性は、みんな彼に惹かれていたと思うわ」
「……恋人もいましたよね?」