寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~

自分なりのおおまかな分類で、散らかったものを手に取っていった。

この社長室はふたつに分かれており、私が今いる部屋の奥にもうひと部屋ある。そこには風見さんのデスクと応接セットがあり、普段彼がいるのはその部屋のようで、来客もそこで受けるようだ。

ブラックを基調にした落ち着いた内装で、片づいていればシックで機能的な空間。
窓にはライトグリーンのブラインドがかけられていて、半分開けられているところからは高層ビルが建ち並んでいるのが見える。

私が最初に足を踏み入れたほうの部屋は奥の部屋に比べると狭く、キャビネットとデスクがひとつあり、そのデスクを私が使うことになりそうだ。一角にはコーヒーマシンやティーカップなどが入った棚があり、おそらく来客用に使えるようになっているのだろう。

そうしてひと通り片づけが済んだ頃には、ちょうどお昼の時間となっていた。

お弁当を作ってきたはいいけれど、みんなはどこで食べるんだろう。
田丸さんにお昼の事情も聞いておくんだった。
そんなことを考えていると、風見さんが打ち合わせから戻った。


「さすがだな」


部屋をざっと見たあと、ファイルに綴じた書類をペラペラとめくりながら風見さんが言う。

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