寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
「恩返しの一環だ」
「このままじゃ倍返し以上になってしまいます」
私がひと晩部屋に泊めた以上のことをすでにしてもらっている。
それに、おかげで不運続きの人生に明るい兆しも見え始めた。
「風見さんが現れてからの私、すごく好調なんです。それまでのひどさと言ったらもう……」
「そんなにひどかったのか」
これまでの私の人生をひと通り話して聞かせると、風見さんはたまにクスッと笑いながら、それでいて同情的な表情を浮かべながら、私の作ったお弁当を次々と口に入れていった。
「本当にありがとうございます」
風見さんへの言葉はそれ以外にない。
恩返ししなきゃならないのは私のほうなんじゃないか。
こうして改めて話していると、そう思えてくる。
「オリオンコミュニケーションズに拾ってもらえたのも、風見さんがラッキーを運んできてくれたんですね」