寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
「……はい」
ごくりと喉を鳴らして頷く。
「俺の恋人になることだ」
目が点になった。
風見さんの……恋人になるって言ったの?
「――じょ、冗談はやめてください」
からかわれただけだ。
風見さんの恋人だなんて、話が飛びすぎている。
そうわかっているくせに、心臓はどんどん張り詰めていくという矛盾。
「冗談を言ったつもりはない。茜が望めば、俺はキミに自信をつけさせることができる」
風見さんの熱く射るような眼差しが私から言葉を奪った。
確かにからかっているようにも、冗談を言っているようにも見えない。
それならどうして、そんな提案をするのだろう。
「それも恩返しの一環ですか?」
それ以外に考えられなかった。