寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~

「秘書ともなれば、外部の重要な人の相手をすることになる」


つまり、それに見合った格好ではないということだ。
同じく秘書の田丸さんの洋服を思い返す。
やわらかな素材のブラウスにツーピースのスーツという、いかにも秘書というスタイルだった。
さすがにリクルートスーツでは格好がつかない。


「一着しか持っていないんだろう?」


風見さんの言う通り、これ一着しかない。


「ですが、お金が……」


洋服を買い込めるほど持っていないし、貯金だってゼロだ。
そういえば就職することに重点を置いていて、就職したあとのことをまったく考えていなかったっけ。
制服のある会社を選ぶべきだったんだ。
通勤のときだけなら、今持っている洋服でもなんとかなっただろうに。


「金の心配はいらない」

「……はい?」

「俺が出すから」

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