寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
風見さんがあまりにも突飛なことを言うものだから、思考回路が寸断されてしまった。
数秒ほどポカンとする。
「いえ! そういうわけにはいきませんので!」
なにしろ家賃からなにから面倒をみてもらっているのだ。
その上、洋服まで買ってもらうわけには!
「恋人に服を買ってやってなにが悪い」
慌てて拒否してみたものの風見さんは意思を変えるつもりはないようで、私の腕をむんずと掴み、引きずるようにして私を社長室から出した。
「まだ勤務時間中ですし!」
なんとか行かない方法はないものかと、ささやかな抵抗を試みる。
「これは上司である俺の社長命令だ」
そう言われてしまえば、もうなにも言い返せない。雇用主はあくまでも風見さんなのだ。
それに洋服がなくて困っているのも事実。