寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~

「コンサルタントを請け負っているということですか?」

「はい。先代の社長様には大変お世話になりました」


このデパートはクライアントのひとつらしい。
そういえば私は、入社試験を受けるときに公式ホームページで調べた程度で、オリオンコミュニケーションズのことをほとんど知らない。

秘書がそれではまずいよね。
少し勉強しなくちゃ……。


「こちらによくお越しになるのは、風見副社長のほうでらっしゃいます」


ふたりの女性スタッフは目を合わせて微笑み合った。なにか意味深な感じだ。


「風見社長がこの部屋でこうしてお買物をされるのは初めてですね」

「そうなんですね」


それを聞いて、なんとなくくすぐったくなる。

『茜は俺の恋人だ』
そう言い切った風見さんの言葉を思い出して、頬が熱を帯びる。
単なるお試しの恋人とわかっていながら、風見さんのような雲の上の存在の人の恋人になれた私は少なからず浮かれていた。

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