寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~
私が男の人を魅了する?
パーフェクト?
信じられないような言葉のオンパレードを頭の中で処理しきれない。
風見さんが指先を私の脇の下あたりからウエストへと滑らせていくから、電流が走ったように背筋が痺れてしまった。
ぼうっとしたように立っていると、「よし、社に戻るぞ」と風見さんは私の両肩をトンと叩いた。
ふたりで持ってもまだ手が足りず、ひとりのスタッフが荷物を運ぶのを手伝ってくれてデパートを出ると、ちょうどいいタイミングで寺内さんの運転する車が現れた。
降りようとした寺内さんを風見さんが手で制し、代わりに後部座席のドアを開けてくれた。
店のスタッフから紙袋を受け取り、次々に座席に積み込んでいく。
最後に風見さんが乗り込むと、スタッフは恭しく頭を下げて見送ってくれた。
「あの、風見さん、お忙しい中ありがとうございました」
「恋人に対して当然のことをしたまでだ」
荷物に囲まれたシートで風見さんがゆったりと足を組みながらさらりと言う。
“恋人”だと言われ、こうして洋服を買ってもらって、それでもまだどこか遠い世界の話のような気がしてならない。
自分じゃなく、別の人の話を聞いているような感覚だ。