カフェの人々
「この死んだ男に恨みをもつ四人と女がどうやって知り合ったかというとね、こういうカフェなの。街のどこにでもあるカフェ。毎朝同じ店に同じ時間にいる彼らは見ず知らずの知り合いだった」
「彼らは何をきっかけに会話をすることになったんです?」
女性はひとくちコーヒーを飲むと眉間に皺を寄せた。
「うるさかったのよ、男が」
「えっ?」
「キーボードを親の敵みたいに叩いたり、大声で電話で話すのよ。それまで静かだった朝が男がやってきてから一転してしまったの。だからみんなで男を殺すことにしたの」
「いや、殺す動機はみんなそれぞれ他に」
「そうね、確かにそれぞれが男を憎む理由をもっていたわ。でもそれらはちゃんと封印することができるものだった。それを爆発させてしまったのが男が立てる騒音だった。馬鹿な男ね、静かにコーヒーを飲んでたら死なずにすんだのに」