きっと、ずっと、恋だった。



「やっぱり秋樹の写真で見たら、どこでも行きたくなっちゃうよねー…」




高層ビルの写真、スクランブル交差点の写真、マンションのベランダから見える夕日の写真など、一枚一枚目をキラキラさせながら見る芹奈に、頬が緩む。


俺の写真を、1番褒めてくれるのはいつだって芹奈で。

俺が1番綺麗だって憧れる写真を撮るのも、芹奈だ。


芹奈の瞳に世界は、こんなにも楽しく眩しく映っているんだって、羨ましくなる。




「そうだ、友達できた?」

「一応できたよ、芸大だから結構変わってる人が多くて楽しい」

「そっか、良かった」

「芹奈は…まあ心配してないけど、できたんだろ?」

「まあね、私友達作るの得意だからね」




何気ない会話も久しぶりで、ふたりきりになるのが最初こそ少し照れ臭かったもののいつの間にかいつも通り話せるようになっていた。



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