きっと、ずっと、恋だった。





「…そうだ、学校遊びに行かない?」

「いいね、行きたいと思ってた」



カフェを出て、徒歩20分。

痛いほど照りつける太陽のせいで、少し歩いただけでも汗をかいてしまう。

暑い暑い言いながらもやっと辿り着いた高校は、夏休みだから部活動の練習が行われていた。


野球部やサッカー部、水泳部は今日はいないみたいだけど吹奏楽部の楽器の音なんかも聞こえる。




「勝手に入っていいの?」

「いいでしょ、卒業生だもん!」



芹奈が言うと本当に大丈夫な気がしてくるから不思議だ。

昇降口から中に入ると、あまりの懐かしさに思わず声が漏れる。



「まだ5ヶ月しか経ってないのに、すごく久しぶりな気がするね」

「ここの廊下の落書き、まだ消えてないんだ」



通い慣れたはずの高校。

毎日上っていたこの階段。



< 233 / 240 >

この作品をシェア

pagetop