きっと、ずっと、恋だった。


そして俺たちのクラスだったはずの教室には、今は1つ下の学年の人たちの荷物が置いてあって。

それがなんだか、少し切なくなった。




「ここだったよね、私の席」



そう言って芹奈が窓際後ろから2番目の席に座るから、俺もその1つ前の席に腰を下ろす。

懐かしい景色が蘇って、なんだか急に目の前に芹奈がいることが愛しくなって。





「…好きだよ」





無意識のうちに喉を通ったその言葉は、俺が卒業するまでの1年間ずっと心の奥に閉じ込めていた感情。


驚いて目を見張ってから、ふわりと力が抜けたみたいに笑うその顔が。


少し赤らめたその頬が。




「私も好き」


って動くその唇が、好きで。





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