きっと、ずっと、恋だった。



青い空の下、太陽の光を七色に反射しながら光るまるいシャボン玉みたい。



きらきら眩しくて、ずっと憧れで。

触れてみたくて手を伸ばすけれど、触れた瞬間ぱちんと弾けて消えてしまう。

そんな大切だからこその脆さとか、それでも触れたくなるこの欲とか。


本当はずっと、苦しかった。




いつもクラスのみんなを笑顔で引っ張っていけるところ。

冗談ばっかり言ってるように見えて、本当は誰よりも周りに気を使えるところ。

なにより彼女のひと言でみんなが動く、その人望。

大きな目をきらきら輝かせて、口角を思いっきりあげて笑う顔。



芹奈が隣にいるだけで、目に映る景色は急に色づいて綺麗に染まる。


魔法使いなんて、どう考えたってきみの方だ。



そんなところがぜんぶぜんぶ眩しくて、全部俺のものにしてしまいたくて。


だけどこんな俺はきみに釣り合うわけなんてない。

きみの隣で、俺の知らない素敵な誰かが笑っている姿が想像できるから。



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