きっと、ずっと、恋だった。



「ありがとう…」

「気にすんな」





いつも意地悪言うくせに。

こんなに優しい顔するの、ずるい。
いつも余裕で大人なの、ずるい。
私ばっかりこんなに溺れさせるの、ずるい。






せっかく秋樹がくれた時間だから、走って教室に戻ってお弁当箱を開く。


半分以上残ったご飯とおかず。


誰も居ない教室でひとりは、少し寂しいなあ、なんて。





ーガラッ




突然開いたドアの音に驚いて、箸に持っていたエビフライの最後のひとくちを、お弁当箱の上に落とした。


箱の上でよかった、セーフ。




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