きっと、ずっと、恋だった。



そんなことまで心配してくれなくても、大丈夫なのに。


私ひとりでご飯も食べられないような弱虫じゃないのに。




…だけど寂しかったのは本当だし、こうして柊香に声をかけてくれたことが嬉しいのも、柊香が来てくれたことが嬉しいのも本当。


持っていたスポーツドリンクをひとくち飲んで、私の方を見る柊香。






「中谷とは、どうするの?」




どうするの、っていうのは、告白の返事のことだろう。

あんな呼び出され方をしたんだから、きっとみんな気付いてる。




「…断ろうと、思ってる」


「そっか。
…卒業前だから多いよね、こういうの」


「そうだね、高嶺とかね」


「あんなにモテるの、びっくりしたよね」


「あはは、本当」




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