きっと、ずっと、恋だった。



何でもない話から、柊香が急に真面目な顔になって窓の外に目を向けた。

私もつられてその視線の先を見ると、そこには秋樹と高嶺とコウの3人がふざけ合って笑ってる姿。





「…芹奈は、どうするの?」


「どうって…」


「告白とか、するの?」






その言葉に、何か言おうとしたけれど、何も出てこなかった。

それは私だってここ数ヶ月…いや、秋樹に出会った1年前からずっと考えていたことだから。





溢れるくらい苦しくて、切なくて、優しくて、温かいこの気持ちを伝えるのか、しまっておくのか。


もうぶつけてしまいそうなくらいに溢れてしまうこともあったし、絶対に一生、誰にも言わないって閉じ込めたこともあった。



伝えたいって思って、だけどこの関係を壊すのが怖くて、そもそも君がどんな顔するのか、想像しただけで怖くなって。



またいつか、って後回しにして、いつの間にかもう卒業6日前まで来てしまって。


本当はずっと、悩んでる。





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