復讐劇は苦い恋の味
「それがそうなんだよね。……私、どうしようもないほど君嶋くんのことが好きみたい」

本音を吐露すると朋子は足を止めた。

「朋子……?」

数歩先で気づき私も足を止め、振り返り彼女の名前を呼ぶと朋子は勢いよく私に抱き着いてきた。

「もう~美空ー!!」

「え、ちょっと朋子!?」

急に抱き着いてきた朋子に目を白黒させながらも、ここが病院内の廊下だということに気づく。


同然私たちは職員や患者から注目を集めていた。なのに朋子はそんな視線に気づいていないかのように、ぎゅーっと私に抱き着いて離れてくれない。

「私、美空の口から好きな人の話を聞く日をどれほど楽しみにしていたか……! 嬉しいよ、やっと美空も誰かを好きになることができて」

あれほどきつく抱きついていたのに、朋子はパッと私から離れると手を引き歩き出した。

「よし、売店で美味しいスイーツ買ってふたりでお祝いしよう! あ、どうやって彼に気持ちを伝えるか作戦も立てないとね」

作戦って……。浮かれる朋子に思わず笑ってしまった。
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