復讐劇は苦い恋の味
「なぁ、それって本当に友達なわけ? 女と会うんじゃねぇの? もしかしたら姉ちゃん、遊ばれているのかもよ」
「……そんなわけっ! ……ないと思う」

いや、ないと思いたい。

最後は声が小さくなると、圭は呆れ顔を見せた。

「なんだよ、姉ちゃんあいつのこと信用してねぇの? それってどうなの?」

「信用もなにも、別に私と君嶋くんはそういった関係じゃないし! ……信用以前の問題だから」

そうだよ、お見合いをしたって付き合っているわけではない曖昧な関係のままなんだよね。


好意を寄せてくれていることは伝わってくるけれど、はっきり「付き合ってください」と言われたわけではないし……。

考え込んでいると、圭はパクパクと肉じゃがを口に運びながら言う。

「わかったよ、じゃああいつと会う楽しみは、また今度に取っておく。明日、十八時に駅の改札口で待ち合わせだってさ」

「あ、うん了解」

我に返り返事をすると、圭は箸を置き両手を合わせた。

「ごちそうさまでした」

そして食器を手に立ち上がる。
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