忘れられない過ち

それから私たちはどんどん仲良くなっていった。
親身に相談に乗ってくれていた相手と仲よくなるという典型的なパターン。

陽向は私にとって大切な存在になっていた。
自分でもびっくりだった。
長年想っていた柊都と別れてからこんなにすぐに、別の人が特別な存在になるなんて。


高校2年の6月。
「優南、好きです。付き合ってください。」
陽向から告白された。

とても嬉しかったが、私には気がかりなことがあった。
陽向と柊都が同じ部活で、友達であるということ。
私が陽向と付き合うことで、陽向と柊都の関係が気まずくなるのではないかと不安だった。
その時、柊都と別れてからまだ4か月ほどしか経っていなかった。
陽向を好きになったのは柊都と別れた後だったが、こんなにすぐに陽向と付き合ったら、陽向を好きになったから柊都と別れたのだと勘違いされてしまうかもしれない。
私はどう思われても仕方ない。
実際こんなにすぐに心変わりしたのだから。
でも、陽向が柊都から私を奪ったと思われるのは嫌だった。
それで2人の関係に溝ができてしまったら、部活もやりづらくなってしまう。
2人が真剣にサッカーを頑張っていると知っていたからこそ、私の存在が彼らの部活の邪魔をしてしまうことなどあってはならなかった。
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