15歳、今この瞬間を
あたしの声に振り向いたその学生は、やっぱりロウだった。

そしてその笑顔に、やっぱりあたしは緊張したりドキドキしたりするんだ。

「はい、夢希の切符」

気が付いたら、あたしの目の前まで来ていたロウの笑顔だった。

「え、あたしの?ごめん、今お金出すから…」

財布を出そうと慌ててカバンを漁るあたしの手を、ロウは静かに止めて言った。

「オレが誘ったんだから、これくらいおごらせて?」

「……あ、ありがと」

「素直でよろしい(笑)」

あたしは、まだ収まらないドキドキが大きくならないことを祈りながら、切符を受け取った。

「じゃ、行こっか」

「…うん」

改札機を通した切符を手に、ロウの後についてホームに出た。

「間に合うかな〜…」

スマホの画面をチラ見したロウは、時間でも確認しているのかな、そんなことを思わせるひとり言が聞こえてきた。


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