15歳、今この瞬間を
間に合うも何も、こんな昼間に時間を気にする意味がわからなかった。


『次は〜終点、名古屋港〜名古屋港〜』

揺れる車内にアナウンスが流れ、

「よし、ちょっと急ぐぞ!」

ロウが、やっぱり時間を気にしている風なことを言った。

「急ぐってなんで…」

「行けばわかるって」

「…」

ロウが楽しそうだから、あたしはもうあれこれ考えることをやめた。

そして、道のりは5分くらいだっただろうかーー早足で歩いたり、信号が赤に変わりそうな横断歩道を走ったり、そんな感じで水族館にたどり着いた。

「良かった、間に合いそうだ」

「だから何の話……」

あたしの言葉が止まってしまったのは、ロウが、あたしの手を掴んだから。

「わ、え、ちょっ…ロウ……っ!」

「来て、こっちだから」

あわあわしているあたしなんかロウはお構いなしに、あたしの手を引いてずんずんと歩いていく。

ちらりとシャチかなんかが見えたけど、他に目的があるようで、ロウは素通りして行った。

< 218 / 287 >

この作品をシェア

pagetop