15歳、今この瞬間を
冬の平日というおかげか観覧席は空いていて、他のお客さんとは少し離れた場所に腰をおろした。

それとほぼ同じくらいのタイミングで始まった、イルカショー。

「うわ…」

大きなプールで魅せる、イルカたちの統率された動き、ダイナミックなジャンプ、可愛らしい仕草は、自然と拍手をしてしまうほどだった。

おにぎりを食べる手も止まってしまう、寒いことも忘れてしまうーーそんな素敵なショーだった。

「ロウありがとう!」

こんな気持ちになったのはいつ振りだろうーーショーが終わってもまだ冷めない興奮の中、あたしはロウにお礼を言った。

「気に入ってくれたみたいで良かった。オレも好きなんだ〜」

「え…あ、うん……」

"好き"なんて言葉を聞くと、別の高揚感を感じてしまう…バカなあたし。

ロウには、想っている子はいるのかな。

それがあたしの可能性は…あるのかな。

「寒くない?中入ろうか」

「……」

ロウの声に立ち上がったあたしは、さっきまでイルカショーが行われていたプールを眺めた。


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