15歳、今この瞬間を
「けっこう広かったね〜!だいぶ歩いたよね」

ひと通り見て回り、また出入り口付近のシャチやベルーガの水槽あたりまで戻ってきたあたしは、これで帰るのだと思っていた。

「夢希、まだ奥があるんだ。そこでちょっと休憩しない?」

「…奥?」

「うん。あっち」

ロウが指差したのは、出入り口とは反対方向で、そういえばまだ奥には行っていないことに気が付いた。

「…」

気が付いたといえば、今日のこの時間、ロウは何度も右手で首の後ろを触っていた。

その仕草を見るたびに、何とも言えない気持ちが押し寄せてーー。

リョウくんが言っていたロウのこの癖の意味……本当なのかな。


「夢希、見て」

「!!」

少し歩いて到着したのは、

「すごい…‼︎」

「だろ?これを見せたかったんだ」

巨大なイルカの水槽だった。

シャチのとなりにもイルカはいたけど、その水槽の比じゃなかった。


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