15歳、今この瞬間を
水中のイルカの様子が見られるようにと作った、観覧席だそうだ。

「……」

必然的にロウの隣に腰を下ろすことになるあたし、この場所は比較的静かだからか、緊張する気持ちが抑えられなくて、ペットボトルのジュースをぐいっと飲み込んだ。

そして、あたしの座った右側にカバンを置いて、その隣に座るロウと何とか距離を作った。

それでもカバンの隣にはロウが座っている訳だから、近いことに変わりはないのだけど。

ふとロウを見ると、ちょうどコーラを喉に送っているところで、あたしはそれを黙って見ていた。

それからロウは目を細めて、大きなイルカの水槽を見つめていた。

そのまま、ひとり言みたいに…ロウは言った。

「オレとリョウと、ありさは……幼なじみだったんだ」

「…うん」


"わかったよ、全部話す"


始まったロウの話が終わるまで、あたしは聞くことしか出来なかった。

それが…あたしに出来た精一杯だったーー。

たいした話じゃないだろうだなんて勝手に決めつけていたことを、申し訳なく思った。


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