15歳、今この瞬間を
「ありさは、生まれつき身体が悪くて……心臓の病気だったんだ」

「……」

ロウは真っすぐ前、イルカの水槽を見たまま話を続けた。

「最初、オレとリョウは知らなくてさ…ありさはオレたちよりも疲れやすいから、走ったり出来ないんだと聞かされていただけだったんだ」

ロウの幼い頃の話ーーありさちゃんの話ーー知りたかったことだけど、少しだけ胸がぎゅっとなる。

「それでもつい走り回って遊んで…ありさはすぐに青ざめて座り込んでたから、止めに入る親にオレとリョウは良く怒られててさ」

懐かしむような表情のロウの視線の先には、ありさちゃんが見えているような気がした。

「本当のことを知ったのは……小5の時で、その時にはすでに入退院を繰り返していたんだ。リョウがありさの親を問い詰めてーーあいつ、ありさのことが好きだったからな」

「…」

「いつまで生きられるかわからない、って聞いてさ、オレもリョウもダメージがハンパなくてーーー」

あたしはすぐに、視線を水槽へやった。


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