15歳、今この瞬間を
「ロウ…」

あたしの目の前には、ロウがいた。

「こんなところで会うなんて…あ、でも夢希の家ってこの辺か」

「うん」

ロウはいつもの笑顔で、右手で首の後ろを触っていた。

「どっか行ってきたの?これから行くの?」

「さ、散歩…してたの。その前は、小野さんと初詣にーー」

「この寒いのに散歩(笑)?」

楽しそうに笑いだしたロウに、思わずきゅんとしてしまう…。

「ロ…ロウだって、散歩してるじゃん」

「ああ、確かに(笑)。今オレんちに親戚が集まっててさ、あれこれ手伝わされたりするの面倒だから、抜けてきたんだ」

「そうなんだ。犬…かわいいね」

「だろ?触っても大丈夫だよ」

何という犬種だろうか、よく分からないけど、小さくて毛が柔らかくて可愛らしかった。

優しく背中をなでると、きゅっと目を閉じてまたすぐ開いた。

「あたしは……引っ越しがあるから、動物を飼ったことがなくて」

生き物を飼うことに、憧れていた頃もあった。

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