15歳、今この瞬間を
「…」

なんて言っていいのかわからずに、あたしの目は佐久田くんをスルーして黒板にたどり着く。

まっすーが自由にしてていいって言ったんだから、さっさと菊谷くんのところにでも行けばいいのに。

「オレもさ、」

あたしは、構わずシャーペンを走らせる。

「…ねぇよ。夢も、希望も」

その言葉に、あたしの手が止まってしまった。


「それでも、生きていれば何かある…オレはそれを信じてる」

ガヤガヤとうるさい教室の中、佐久田くんの声は力強く、真っすぐだった。

「みんながみんな、夢と希望に溢れてキラキラしてるわけじゃない。必死にもがいて、何とか暗闇から抜け出そうとしてるヤツもいるんだ」

「…」

あたしは思わず、佐久田くんの顔を見上げた。

その笑顔は不思議とあたたかな匂いがして、あたし自身が解(ほぐ)れていくような気がした。

「だから夢希も、もうあんなこと言うなよ?なっ?」

「ちょっ…夢希って呼ばないでってさっき……!」

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