15歳、今この瞬間を
「ちょうど、井上さんのことを話していたところよ」

「…」

お母さんは、まっすーと一緒だった。

「夢希ちゃんのこといっぱい褒められちゃったから、お母さん鼻が高いわ〜」

あたしは、ちらりとまっすーを見た。

まっすーは、優しい笑顔で話し始めた。

「最初は…なんていうか、手のかかりそうな子だわ〜と思っていたの。髪の毛とか、他の生徒が真似したりしたら大変だし…」

「……」

そりゃ、そうだろうね……面倒な子でしかなかっただろうね。

「でも、それもただの取越し苦労だった、って話よ。さすが夢希ちゃんね!」

お母さんが 、本当に嬉しそうに会話に入ってきた。

「そうね。ちゃんと自分でクラスの輪の中に入って行けて、うるさく言わなくても髪の色も直ってたし。勉強だって50位までに入れるようになって……先生が、」

まっすーの目には、涙がたまっていた。

「先生が何も言わなくても、自分から動いて結果をだした井上さんは、素晴らしかったですよ」

先生……。


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